建築はその場所に従う

カタルーニャの北部にカステルフォリット・デ・ラ・ロカと呼ばれる美しい集落があります。

中世イベリア半島がイスラム教徒に支配されていた頃、フランク人はピレネー山脈に沿って緩衝地帯(スペイン辺境領)を築き、南部からの敵襲に備えました。このカステルフォリット・デ・ラ・ロカもその一部と思われます。
フランク人が築いた防衛線は現在のフランス、スペインの国境付近にあたり、スペイン側に残ったフランク人は現代のカタルーニャ人となり民族問題を今に残すと聞きました。

カステルフォリット・デ・ラ・ロカ
カステルフォリット・デ・ラ・ロカ

この集落は二つの川に挟まれ、時間とともに削られていった玄武岩の大地の上に辛うじて築かれています。その幅はわずか50mしかなく、長さは1,000mに及びます。建物の外壁は土地の素材である玄武岩に土や漆喰を塗ったもので、内部の床や屋根は近くの山から切り出したであろう木材で作られています。

かつては家畜が行き交い、村の中心には共同洗濯場や共同チーズ工場や共同パン工場などが並び、村人たちで賑わっていたと想像します。個人的な空間といえば寝室くらいで、冬場は家畜と共に寝ていた考えられますが、それは暖を取るためには普通の事でした。トイレも共同で集落の畑に肥料を供給したのかもしれません。今でいうリサイクル社会は昔では当たり前の事でした。

玄武岩の集落
玄武岩の集落

場所との融合というべきでしょうか、まるで地面から生えてきたかの様にあるがままに存在しています。
工業化された日本の建築は、同じものを大量生産する仕組みで国土を覆いつくしてしまいました。しかし、建築は同じ土地が二つと無いのと等しく、それぞれの場所に応じて個性を発揮させなければなりません。建築は場所と融合し土地のエネルギー資源などそこに備わった多様性を発見して利用することが大切だと遠い国で学んだのです。

集落内部
集落内部
Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Share on Tumblr