建築ジャーナリズム

ある居酒屋でのこと。最近の若手建築家たちは建築専門誌ではなく、一般情報誌に掲載されることを望んでいる人が多いと聞きました。たしかに、一般情報誌はコンビニやキヨスクで簡単に手に入るし、人目にもつきやすいのだから宣伝効果は高いのだとは思います。しかし、一般紙である以上は、見る間に建築情報として消費されてしまうことでしょう。

メディア社会で生きる難しさと言って良いのか分かりませんが、情報を利用するのか、利用されるのかの判断が問われるところです。少なくとも建築家は消費の対象ではないと思いますが、SNS全盛の時代にあっては、この見極めはしばらくは続くことかと思います。今日では素人でも簡単にジャーナリスティックに振る舞うことができるし、人目にもつきやすい環境が整いました。しかし、SNSを情報が流れる大河に例えれば、そこへ発信する個人の情報など、あっと言う間に流れ去る一滴のしずくに過ぎませんし、本質的にその大河は透明に澄んでいるとは限りません。

偉大な建築ジャーナリストたちは、建築を地に足ついた文化としてとらえ、運動として世に発信し続けました。決して一過性で、その場限りの情報発信ではなかったのです。

森山高至氏がブログで詳しく書いていますが、かつてあった建築専門誌、「建築」「室内」「建築文化」「都市住宅」「10+1」「SD」、みな廃刊になってしまいました。いくつかの建築専門誌はまだ頑張っているのですが、良き建築ジャーナリズムが衰退すれば良き建築家も消えてしまうし、その逆もまた同じことが言えるのだと思うのです。

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私の本棚


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