妙心寺の井戸の柱

山陽本線の花園駅近く、よほど海外からの訪問客が多いのか、大きな看板に「Headquarters of Myoshinji schools of Rinzai Zen Buddhism」と仰々しく書かれている寺があります。すなわち臨済宗の禅寺妙心寺ですが、南門をくぐって少し歩くと誰にも気づかれないような井戸がひっそりと建てられています。

井戸には2本の柱が立ち、粗末な屋根を支えています。誰も見向きもしないような地味な存在ですが、よく見れば木柱の下部が途中から石で根継ぎされているのが分かります。これは「金輪継ぎ」という伝統的工法で、一般的(ほぼ99%)には木と木を継ぐための工法です。この井戸を作った当時の大工と石工のコラボレーションでありますが、考えてみれば湿度が高く、雨の多い日本においては木材保護のための合理的な解法であったのかもしれないし、職人たちの遊び心も見え隠れしているようにも思えるのです。

職人の技術が継承されにくくなった現在、建築家は、彼らが存分に腕をふるえる現場を作っていくこともしなければいけないのでしょう。

妙心寺の井戸の柱
妙心寺の井戸の柱
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