家づくりは遠い

少しピアノをかじったことがあります。ショパンのワルツやパッヘルベルのカノンなど練習した記憶がありますが、すっかり忘れてしまいました。しかし、ピアノの楽譜を見ていると、ピアニッシモやフォルテなど音の強弱、静かで落ち着いた導入部、アルペジオのなめらかな和音、トリルの軽やかな旋律など、まるで音楽の図面のようだと思ったりします。高い音、低い音、小さな音、大きな音、軽やかな音、重い音、愉快な音、壮大な音、色々な音を組み合わせてひとつの音楽が出来上がっています。

前置きが長くなりましたが、昔から時間のあるときに自分の家の設計をしています。クライアントの家を設計する場合、まず設計者である自分自身が住みたくなる家を設計したいと思っているのですが、クライアントが自分自身というのも面白いものです。手書きのスケッチの中を小人になって歩き回り、思索を巡らせてみるのです。

自分の家だから好きなことを考えるもので、まるでピアノの楽譜を書くように、天井の高い場所、低い場所、明るくて開放的な場所、薄暗くて落ち着いた場所、内のような外、外のような内、閉じた空間、開いた空間、自然素材を使いつつ鉄などもどこかで使いたい。(そういえば遠いパリは鉄の多い街だった。)吹き抜けた伸びやかな家にするのか、平屋で水平に伸びていくような家にするのか、コンパクトな小屋のような家も良いし分棟も面白そうだ、など問題山積みです。

ああしたい、こうしたいと考えている内に時間などあっという間に過ぎていきます。工法はどうするの?庭に植える植物の選定は?ガスレンジはドイツのAEGかな・・・。しかし一番の問題は一体いつになったら実現するのかということなのですが。

自邸スケッチ

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